ゲームを構成する処理が一部でもクライアントで行われることが避けられない以上は、チートが不可能なソフトウェアを作ることはできない。結局とれる対策はチート開発に時間がかかるようにしたり、時には脅したり、人間の方に働きかけてチートをさせないようにすることしかない。
DIABLO Iにおいて、実際には存在しない宝箱を開けたことにしてアイテムを手に入れるチートが蔓延した時、Blizzerdは単純にバグを潰すことはしなかった。その代わりにチートを使ったアカウントに目印をつけるパッチをあて、チートを敢えて泳がせたのだ。これによって最終的に7,000以上のアカウントがbanされることになる。Warcraft IIIのベータでは同様のやりかたで24,000以上のアカウントを停止した。
2003年、これまでのバグを利用したアイテム複製などから、自動で敵を倒し続けるボットの利用へとチートのトレンドも変化していく中、再び台頭してきたチート勢力に対し、この年Blizzerdは画面上で見えていない敵をマップ上に表示するハックを使用した容疑で112,000ものDIABLO IIアカウントを停止。その3ヶ月後にはStarcraftWarcraft III、DIABLO IIと合わせて403,000のアカウントを一時停止・停止した。これと同時にチートを利用したアカウントのCD-Keyを記録している旨と再犯にはさらに厳しい対処を行うとの警告も発布したらしい。1ヵ月後にはDIABLO II世界でこれまでチートによって生まれたアイテムを消去し、Blizzardはついにチートを制御下におき、得体のしれない他世界からの邪悪なパワーの影響が及ばない清廉潔白な世界をようやく作り出すことに成功したとされている。