a bunch of monkeys

http://www.screenhead.com/funny/dance_monkeys_dance.swf
http://www.ernestcline.com/spokenword/dance.htm

猿どもには意識の存在という呪いがかけられている。
その呪い故、猿どもは恐れる。猿どもは心配する。
猿どもはあらゆることについて心配する。
その中でも特に猿どもは他の猿どもが何を考えているのかについて心配する。
なぜなら猿どもは何よりも先ず他の猿どもに受け入れてもらいたいと考えているからだ。


だがそれはすごく難しい。
なぜなら多くの猿どもはおたがいを憎みあうようにできているからだ。
これは他の動物達には見られない珍しい特徴だ。
彼ら猿どもは憎みあう。
猿どもは自分達と違う猿どもを憎む。
自分達とは違う場所からきた猿ども。
自分達とは違う色をした猿ども。

日本語がしゃべれないからといって憎む。廃人だから憎む。なりきりプレイしてるから憎む。魔法を使っているから憎む。異質なスキル構成だから憎む。パーティに貢献しないから憎む。自分達と同じような行動をしないから、狩りの邪魔だから、見返りが少なくなるから、とにかく悪いことをしてるようだから、ノーマナーだから…

大昔から実際には人間はばかばかしい理由から生まれた他人への嫌悪を様々な形で具現化してきていた。奴隷とか、人種差別とか、出自の差別とか。そんなのがタブー視されて、皆が心の奥底にそういう感情をしまうようになったのはつい最近のことで、結局人間の性質自体は変わってないんじゃないかと思う。多くの人々はそういう感情をやっぱり未だに抱くことがあって、昔の人々がやっていたのと同じようにそういった感情を他人と共有したり、実際に差別行為として具現化したりしたいという欲求があるんじゃないか。

そういう見地から捉えると、MMORPGってのはもしかすると、普段リアルで抱くことはあってもなかなか共有できないそういう嫌悪の類を、仮想世界の上に演出して作り上げて、それを一定量の人々の間で共有させ、あまつさえ具体的な差別行動までおこせてしまうなかなか画期的な「仕組み」なのかもしれない。

それはそれとして、引用した詩(?)は皮肉たっぷりなんだけども他人のことで心配している人にはすごく励みになる。力が涌いてくるね。舞台を前に緊張している時に人間を皆カボチャだと思え…とアドバイスされるのと似たような感じに励まされる。実際に元気でました。