仮想世界の死

http://www.geocities.jp/my_bloody_valentine_in_moe/

この事件のことを知っておもしろいなと思ったのは、いたるところで「虐殺」という表現が使われてることでした。こういう派手目の表現を好んで使うこと自体は別にいいんですよ。良識と分別のある僕らにはそんなショッキングな単語をつかったって効き目はありません。僕らは知っています。今回の虐殺もそうだし、PKもそうですけど、結局ゲーム内でPCに暴力をいくらふるったところで相手は死なないです。ボタン一発でいくらでも相手は復活してきます。みせかけだけの嘘の死亡です。だから虐殺とかPKとかもみせかけだけの殺人です。じゃあ仮想世界における本当の死って、本当の殺人てなんなんでしょうか。

それはつまり二度と復活できない死亡です。プレイヤー自体がその仮想世界を離れてしまうことです。個性そのものがその仮想世界から消えてしまうことです。それは嘘の死よりもずっと悔やまれるべきものだろうし、そのような本当の死をもたらした本当の殺人者は嘘の殺人者であるところのPKなんかよりも何倍も罪は重いのではないでしょうか。

こういう見方でとらえると、「今回の事件でゲームをやめた人がいる」だとか噂して騒ぐのは狂言自殺にあたるわけです。すごく卑怯に見えるのです。

[追記]
なんかうまくまとめられないんだよなぁ。で、結局いいたいことは何かというと、うわべだけの演出やあてがわれている言葉に騙されないで本質を見逃さないように気を付けていこうということです。嘘の虐殺よりもっと批判されるべき、本当の虐殺が実は行われているかもしれないですよ。そういうのは虐殺とは絶対に呼ばれないはずなのです。