ユーティリティー開発の問題

http://www.mud.co.uk/richard/hcds.htm
リチャード氏はこの論文で仮想世界の住人を興味の対象によって4つのタイプに分け、それぞれがそれぞれをどのように扱うか、一つのタイプの人数の変化が他のタイプに及ぼす影響などにも言及している。その中でどのような機能を実装すれば、仮想世界を特定の興味を持つ人が好むよう仕向けることができるかについて羅列している部分がある。実際にその内容はテキストベースのMUD向けのもので現在のMMORPGなどにそのまま適用するのは難しいが、着目したいのは、仮想世界の環境に変化を及ぼすことでコミュニティーの質が変化し得るという見解だ。

これまでいろいろな仮想世界のコミュニティの変化を見てきた経験のある人なら当たり前のことだと思うだろうけども、この見解は、もしもこれを踏まえるとすれば、どのような外部ツールの開発、配布、使用をも許さないという理由になり得る。仮想世界の運営はコミュニティの質、構成するプレイヤーそのものにも責任を負う。これは一人用のゲームとは異なる点だ。ここで第三者が突然ツール配布によってある機能を便利や簡単にすることでコミュニティの質を変化させてしまっては運営者の管理や目標を混乱させてしまう。もちろんすべて野放し、ということになれば話は別になるけれども。少なくとも商用のサービスでは絶対にユーザーが作成したツールの配布は許してはならないことになる。リチャード氏の論文に基づけば。