ターンAガンダム

前半は外交ファンタジーといったノリで、様々な勢力の様々な思惑が交錯して、興奮の展開だった。勢力間レベルでは利益を巡る対立があるのだが、その対立下での人同士の交流は活発だ。大抵の物語での勢力間の人対人というのは勢力内で相手勢力への心象は統一されているものだけど、この物語はそうでない。勢力間を乗り越えての密接な人対人の関係が用意されている。その関係の中でも外見が似ているという理由から人そのものが入れ替わってしまうディアナとキエルの関係は凄まじいものだった。ある意味ではシナリオ構築上の綱渡りをハラハラしながらみていたのかもしれない。が、それもまた。絵的にはレトロな戦闘機、自動車、家屋、飛行船、街並み、自然物がMSとの間に生むコントラストが素晴らしかった。また、前半はMSを単なる便利な道具ではなく、まともにやり合えば大爆発を起こす古代の機械人形として畏怖を伴いながら、牽制の道具として扱っている様子がまたハラハラを増幅してくれていた。核兵器がでてきたあたり以降はついていけなくなってしまった。